滋賀県産ヒノキを使用したよもぎ蒸し用スツール。某サロン様からのご依頼で試作品を制作後、本制作させて頂きました。

 

よもぎ蒸しとは、よもぎを煮立たせその蒸気で下半身から体全体を温める韓国発祥の民間療法です。

 

スツールの中でよもぎを煮立たせ、丸く穴の空いた座面に座り、下半身から直接蒸気を体内に吸収させるため、スツールには化学成分が使用されていないことが望ましいとされています。

 

巷には数多くのよもぎ蒸し用の椅子（何故か多くは「よもぎ蒸し用座椅子」と呼ばれていますが、「座椅子」とは家具用語では脚のない背もたれ付きの椅子を指します。背もたれのない椅子は一般的に「スツール」と言います）がありますが、接着剤不使用とうたいながら使用していたり、小さなブロック状の板を接着した「集成材」を使用していたり、全体を樹脂塗装したもの、サビの恐れのある金具を使用したりしているもの、また異様に高価なものなどもあり、僕の探した限り利用者が100％安心して使用できるものはありませんでした。

 

当工房では、本当に安心できる素材で制作できるよう時間をかけて検討しデザインしました。

 

この椅子は、日々蒸されることが前提なので、木にとっては膨張・収縮を繰り返す過酷な環境です。できるだけ制作時の形状が保たれるよう、素材は水にも強い地元の滋賀県産ヒノキの無垢材を使用。自然乾燥後、更に人工乾燥を施し、狂いのない材料にしました。

 

膨張・収縮をうまく受け流しながら反りや変形を抑えてくれ、かつ強度のある加工法を使用し、接着剤や金具類は一切使わず、木組みだけで強度を出す構造としました。

 

未塗装だと汚れが染み込んでしまうので、塗装には100％天然由来の亜麻仁油を使用しました。

 

オーナー様にも気に入っていただけ、今後はサロンでたくさんのお客様のお役に立てると思います。

 

ご注文ありがとうございました。